IOC オイル仕上げ
複合フローリングの
取扱に関する注意事項
浸透性オイルフィニッシュ
複合フローリング施工時のトラブル解決法
これだけは欠かせない施工時のポイント
浸透性オイルによる塗装は、材表面に塗膜を張るウレタン塗装やUV塗装と異なり、施工時に特に注意していただきたいのが、「養生方法」です。以下の3つの点にご注意下さい。
1.必ず養生シート(ボード)をきっちりと全面に被せること
2.フローリングに直接、養生テープを貼らないこと
3.水分を持ち込まないこと(水性のワックスもNGです)以上の点に注意することで、トラブルの大部分を未然に回避することができます。しかし、万一トラブルが発生した際の、対処法をケースごとにご紹介していきます。
こんなときどうする?
ケース1:日焼けで色の差が生じてしまった場合
現場で発生する様々な埃の付着を避けるために必ず養生シートをお使い下さい。特にオイル塗装の場合、ウレタン塗装やUV塗装に比べ慎重に養生する必要があります。オイル塗装はウレタン塗装やUV塗装と異なり、塗装したオイルが空気中の酸素と反応し、硬化が進んでいくという特徴があります。その為、フローリング全体を隙間なく養生シートで覆っていれば問題ありませんが、シートで覆わなかった箇所があるとその箇所だけ反応が進み、他の箇所との色差が付いてしまう場合があります。このような状態にならないよう、養生シートをフローリング全体にきっちりと覆い被せることが重要です。それでも色差が発生した場合は、色の境目の100mmから200mmのところをサンディングし、同じオイルで再塗装することで色差が目立たなくなります。
ケース2:養生テープをフローリングに直接貼ってしまった場合
養生シートを留める際に、養生テープを直接フローリングに貼ってしまうと、テープの粘着部分がフローリングに付着してしまうことがあります。特に夏場など気温が高い環境や古いテープの場合、粘着部分の糊が溶けて木目の中に入り込んでしまうことがあります。こうしたトラブルが発生した場合、その部分をサンディング(#180程度)で取り除き、再塗装することで修復することが出来ます。養生シートを壁面にしっかり付け、その上にダンボール箱を折り返し、壁面と養生シートに密着させて重なるように敷き詰め、養生テープで固定する事で、こうしたトラブルを回避でき、また隙間から石膏ボードの粉や埃が入り込むことを防ぐことが出来ます。
ケース3:石膏ボードの粉や埃が付着してしまった場合
石膏ボードの細かな粉や埃はフローリングの大敵です。特に木目がはっきりしているアッシュやオーク、また色の濃いアッシュブラックオイルや、ウォールナット、ウエンジなどは木目に粉が入りやすく、入ると目立つので十分な注意が必要です。その為養生シートで保護するのですが、もしも木目に入ってしまった場合、深く入り込んでいなければエアーで吹き飛ばすことが出来ます。エアーを使ってもダメな場合は、硬めの歯ブラシで粉や埃を掻きだし、その後オイルで再塗装して下さい。それでも取れない場合は、粉や埃をサンディングで削り取り、再塗装することで補修して下さい。
ケース4:表面の毛羽立ちや白濁が生じた場合
施工後の水を使ったクリーニング作業や水性ワックスの使用は避けて下さい。フローリング表面のオイルが取れてしまい、表面の毛羽立ちや白濁の原因となります。回避方法ですが、まずはクリーニング担当者に必ずオイル塗装の商品の為、水拭き厳禁とお伝え下さい。引き渡し前のクリーニングについて、養生を剥がした後それほど汚れが気にならない場合は、表面の埃などを取り除いた後、オスモ社製クリーリング商品「ウォッシュ&ケア」をご利用下さい。また、汚れが酷い場合は、同じくオスモ社製メンテナンス商品「ワックス&クリーナー」をお使い下さい。(別紙参照)もしも毛羽立ってしまった場合は、ストッキングにウエスを詰め込んだもので擦ると取り除くことが出来ます。ストッキングの微小な網目が毛羽立ちを取り去るのに適しています。また、台所用のスポンジの硬い面でも同様の効果が期待出来ます。特に毛羽立ちが発生しやすい樹種は、アッシュ、オーク、チェリー、ウォールナットなどですのでご注意下さい。尚、白濁はその部分をワックス&クリーナーやエタノールで拭き取ると取れる場合もありますが、それでも取れない場合は、サンディングを掛けその後再塗装して下さい。

浸透性オイルのフローリングは、補修が簡単なことがひとつの大きな魅力です。トラブルが発生しても慌てず、トラブルのケースに応じて上記の対処法をお試し下さい。まずは、慌てない!ことが重要です。